16章 ついに来た。自宅へのピンポン 悪夢

寝ている時間に自宅呼び鈴が鳴る

私は仕事柄夜型の生活なので起床は昼頃だった。そんなある日10時頃家のピンポンが鳴った。嫌な予感は大分したが、モニターを見ると写しだされたのは数人のスーツを着た男たち。「はい」と応答すると見せられたのは警察バッチだった。自宅への捜索許可を裁判所から得ているから、と家に入れる事になった。おそらく7~8人くらいいたかと思うが一気に上がり込んできた。

これが家宅捜索か

家の隅々まで調べて書類の類を確認していった。一時間程あちこち確認したり書類を持っていったり写真を撮ったりとしていた。そんな中で中心となる刑事(班長と言っていた)が「何か食べておいて欲しい」という事だった。「これから移動して署で話をするから」という事で、食卓にあったドーナツを強引に口に入れた。もうなされるがままでどうすることも出来なかった。せめてやれた事は弁護士先生へ電話をいれ状況を説明した事だった。幸い時間的に弁護士事務所も稼働している時だったので事務員さんに助けを求めた。刑事から「薬飲んでいるか?お薬手帳は持って」と言われた。連れて行かれるんだろうと思った。

夢ではないか、、とはこの事か。逮捕状を見せられる

普通の乗用車を家の前につけられて乗るように促された。乗ると左右に刑事が乗り込んできて。「裁判所から逮捕状でてるから逮捕ね」と言われ手錠をかけられた。今までよく、悪い夢なら覚めてくれ、というセリフを聞いてきたが、こういう事なんだと思った。

「すべて終わるのか・・」と思った。

そのまま、警察署へ車で運ばれて、裏側の入口から待ち構えていたかの様にものものしく連行された

弁護士さんもしばらくして来てくれた。「これで逮捕はないと思ってたけど・・」「起訴にまでなるかな、とにかくありのまま受け答えをすればいいから」と言われた。

近所の医者で飲んでいた安定剤の薬を出されて、そのまま「ここはいっぱいだから別の警察署へ行く」と言われ高速をぶっ飛ばされて、実家の近くの警察署に移送された。その車中刑事から「先代の社長が元凶なんだとは思うけどね・・」と同情するかの話をされた。すべて調べあげられていたんだなと思った。

着くと身ぐるみを脱いで着替えろ、全指の諮問の捺印を取ったりと次から次へ進んでいった。

「明日から取り調べが始まるから」と食事を出され、いわゆる牢屋に入れられた。一人が4畳程のスペースで簡易的な畳敷きでトイレのみあり、紙コップ一つ与えられトイレの手洗い水の出るところから水を汲み飲むというスタイルだった。比較的新しい署でエアコンも効いていた。

すぐ出れるんだろうと、いい様に考える事にした。

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