2章 法律違反を続けながら営業活動・そこで迎えた急遽の減俸

悪徳業者ばかり

全国で一位を続けていた絶頂期、当時世の中で同様の会社も多く、相次ぐ苦情・トラブルが発生していました。そんな教材業界やエステ業界など電話勧誘・訪問販売業態を規制するために「特別商取引法」が改正されました。利用者はサービスをやめる際には関連して購入した商品の解約ができる様になった訳です。業者もそれに応じなければなりませんでした。

 

しかし、自分が所属していた会社はそのルールには従わず、今までの販売方法と解約に応じない営業活動をしていました。

そんな中私の管轄するエリア内での一店舗が営業成績が伸び悩んでいたところ、社長より「何とか売り上げを上げさせろ」と指示があったので、私は「この店舗だけ改正された法律に準じた販売方法でやってみてまず利用者を増やせばどうか?」と提案し、試験的にやってみることにしました。やはり消費者にとっては安心して購入できたので一気に売り上げも伸び、社長からも「このやり方を他の不調な拠点でもやらせるよう指導に行け」とまで言われました。

法令に準じた事をした、として減俸処分

ところがその年度末、その試験的に法律に準じた販売方法でやっていた店舗において卒業退会などが相次いで発生しました。当然法律的にも解約に応じる必要があった訳ですが、社長は「なぜ、こんなに解約がでるのか!責任を取れ!」と言われ、その店舗の店長は私の管轄から外れ、左遷されました。また私も呼び出されて処分として減俸200万を言い渡されました。

今まで利益面でも組織運営面でもかなり貢献してきた私は「なぜ、法律に準じたやり方でやったのに」「今まで一番利益を出してきていたのに」と初めて社長の本音を聞くことになって「会社を辞めるべきか・・しかし子供が生まれたばかりだし・・」と迷い道を進むことになってしまいました。

今考えると、その時点で法律家などに相談すべきだったと思います。

その後同様に社内で売り上げ不調な店長は辞めさせられていきました。

当時の社内の部長職にも相談をしてみたところ、衝撃的なアドバイスをもらいました。「この会社の社長は所詮そういう人物、自分の身は自分で守らないといけない。だから古株の幹部たちは自分たちで副業をしたり教材販売のサービスとしての家庭教師派遣にかかる入会金などを直接受領するなどして稼いでいる」というものでした。今までただ教材を売ればいい、という事を信じて一直線にやってきた私にとっては衝撃的でした。

私は一旦地元の支店に身を移し、家族の生活の為しばらく現状を維持していくことにしました。

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