4章 麻痺をしてきた感覚

新人研修で見てきたもの

ところで、自分自身が新卒で入社して研修を受けた拠点で行われていたことを思い返すと、まず訪問販売した教材に対しフォローの役務で家庭教師を派遣していたが、まず派遣契約書なるものは存在せず、顧客に渡されるものは教材のローン契約書だけであった。家庭教師の管理はほぼしていなく、派遣台帳もなかったので「誰がどこで言っているかも事務員さんのみ知るところ」であった。

当然「教師が急に来なくなった」「ここ2ヶ月来てない」「約束を守ってくれない」「交代要員が来ない」等というクレームばかりでそれに追われていた。

しかし社員である所長は売上さえ上げていれば会社的にOKであることを理解していて、その後の生徒の指導や成績など全く関心がなかったわけである。

しかしアルバイトスタッフからの指示は厚い存在でした。というのはこの所長がアルバイトスタッフに対して施していた、毎日の様な飲食設定でした。大学生や高校生に高級料亭などで飲食させバイト中にも出前取り放題、こんな待遇を受けていたので皆その所長と仲良くしていればいい思いができると慕われていました。事実会社の社長もそういう人材活用を推奨していました。

しかし、その飲食接待の源泉はこうでした・・

まず、教材販売した顧客からクレームやクーリングオフの連絡が入る→教材契約を解約するので、と言って商品を回収しにうかがう、回収してきた商品を拠点で保管しておく→次の顧客から注文をうけたらその商品を持参して現金にて直接回収する→その代金を拠点の飲食代として使う

私は入社したての頃「これ、いいんですか?」と聞くとその所長は「この会社の社長は社員に対して何もしてくれない、けど売上さえ上げていれば文句は言わないから、皆やってるよ」と平然と言われました。

私は「こうにはなりたくないな」と思ってやってきて、その中で売り上げも全国一位を維持してきました。

しかし「不当な減俸」「会社の行政処分」「その後の経費使用の制限」「しかし現場は維持していかないといけない」・・この中で私の中で芽生えたのが「馬鹿正直にやってるだけ損だ」「会社が経費や賞与を出してくれないなら、自分で稼いでスタッフの飲食や賞与に充てよう」という想い

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