5章 必要悪と考える

犯罪にはならないように・・

自分の拠点独自で収入を得ようとしても、直接会社と契約した月謝に手をつけるとかはさすがに危険だと感じたし、自分自身の売り上げはしっかりと会社に入れていく中で準備しようと思いました。あくまでオプション部分で稼ごうと考えました。

まずは、それまで会社で用意していた顧客用の模擬テストでした。これは非常に粗悪でテストの採点も偏差値も評定も本社からは「拠点の社員さんで適当に割り振って結果作って」というものでした。相変わらず生徒の成績などお構いなしの組織でした。そこで社外の業者テストを購入して、それを拠点の抱えている顧客に案内して、テスト代を貰うことでの「模試代」を集め始めました。

続いて、月謝契約外でのオプション指導、月謝というのは契約書面でいうと月に〇時間、期間として〇月~〇月までで固定月謝〇〇円という内容でした。そこで期間が満了した後、テスト前だけ利用したい、契約した月謝回数券は消化してしまった、等という顧客に対して独自のオプション指導券を販売しました。

これらの収入は月に数万円程度でしたが、その中からスタッフを連れて飲食店に行ったり、研修社員へ会社のボーナスの代わりに手当を渡したり、自家用車を持っていない営業スタッフに自家用車購入してもらうための補助金として、など使っていきました。

こうした会社で補填してくれない費用を使っていたことで、スタッフは一人も離脱せず、売上にも貢献してくれて、管理事務スタッフも人員削減することなく十分な管理ができていたので退会者は少なく、結果会社内でも行政処分後全国一律赤自店舗ばかりの中、唯一黒字をだして会社に利益として貢献できました。

自分としては「結果として会社の利益に還元できている」という自負の元、必要悪であるが、法に触れてはいないという認識でいました。

全国で発生した不正

そんな中、やはり同様に現場運営が立ち行かなくなった拠点が多く、あちらこちらで「不正発生」という情報が入ってくるようになりました。

その大半は、私のようなオプション部分ではなく、顧客が入会するときに支払う「入会金」を会社に納めず直接拠点で得てしまうやり方でした。私の中の良かった拠点長はそれが会社にバレて2000万円程収入を得ていた様でした。しかし当時の社長は特段、賠償や提訴すること等なく返還も求めず、該当社員が辞める、というカタチで終結していきました。

やはり、その問題以上に社長自身の身の回りの方が調べが入ると問題だらけだったからだと思います。今考えても度重なるパワハラや解雇や労基法違反や不正会計・粉飾決算など日常的に行われていました。

 

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