犯罪にはならないように・・

自分の拠点独自で収入を得ようとしても、直接会社と契約した月謝に手をつけるとかはさすがに危険だと感じたし、自分自身の売り上げはしっかりと会社に入れていく中で準備しようと思った。あくまでオプション部分で稼ごうと考えた。
まずは、それまで会社で用意していた顧客用の模擬テスト、これは非常に粗悪でテストの採点も偏差値も評定も本社からは「拠点の社員さんで適当に割り振って結果作って」というものだった。相変わらず生徒の成績などお構いなしの組織だったので、その必要性はあって顧客満足の為に実施してもクレームを生むだけだった。普通ならこういう弱点から改善策を打ち出し新商品を開発したりするのだが、そういう組織ではない。そこで社外の業者テストを購入して、それを拠点の抱えている顧客に案内して、テスト代を貰うことでの「模試代」を集め始めた。
続いて、月謝契約外でのオプション指導、月謝というのは契約書面でいうと月に〇時間、期間として〇月~〇月までで固定月謝〇〇円という内容だった。そこで期間が満了した後、テスト前だけ利用したい、契約した月謝回数券は消化してしまった、等という顧客に対して独自のオプション指導券を販売した。
これらの収入は月に数万円程度だったが、その中からスタッフを連れて飲食店に行ったり、研修社員へ会社のボーナスの代わりに手当を渡したり、自家用車を持っていない営業スタッフに自家用車購入してもらうための補助金として、など使っていきはじめた。
こうして補填してくれない費用を自らの拠点で賄い、使っていたことで、スタッフは一人も離脱せず、売上にも貢献してくれ管理事務スタッフも人員削減することなく十分な管理ができていたので退会者は少なく、結果会社内でも行政処分後全国一律赤自店舗ばかりの中、唯一黒字を出して会社に利益として貢献できた。
自分としては「結果として会社の利益に還元できている」という自負の元、必要悪であるが、法に触れてはいないという認識でいた。
全国で発生した不正
そんな中、やはり同様に現場運営が立ち行かなくなった拠点が多く、あちらこちらで「不正発生」という情報が入ってくるようになった。
その大半は、私のようなオプション部分ではなく、顧客が入会するときに支払う「入会金」を会社に納めず直接拠点で得てしまうやり方だった。私の仲の良かった拠点長はそれが会社にバレて2000万円程収入を得ていた様だったが、当時の社長は特段、賠償や提訴すること等なく返還も求めず、該当社員が辞める、というカタチで終結していった。
やはり、その問題以上に社長自身の身の回りの方が調べが入ると問題だらけだったからだと思うが、今考えても度重なるパワハラや解雇や労基法違反や不正会計・粉飾決算などこれまで以上に激しくなっていた。
私はどこかその社長の姿勢を達観して見るようになっていた。独自で考え行動しようと考え、また会社での唯一の利益集団にもなっていたので社長からも何か要望されることは無かった。
私がそうだった様に社長はまた入社したての若い社員にニンジンをぶら下げて事務所で寝泊まりさせたり、事務所の家賃をタダで交渉しろ、と無茶な支持を出していた様子だが、そんな中でまた意向に沿うような勢いのある人材を重用して幹部にもさせていった。「結局同じことをやっているな」と感じていた。

