7章 役員へ・・ようやく損益での評価が下る

たまにしか作らない損益計算

私がいた会社は滅茶苦茶でしたから、社員の評価も社長の心象次第。冷静に抱えている拠点での利益などは、資料すら社長は見てない・作ってもいないので関係なかった。私もそうだった様に、常に若手の右を左も分からず、ぶら下げられた餌に向かってなんの疑念も持たず突き進む人間を盛り立てていき、その後疑念を持ち始めると冷遇して辞めさせていった。既に私は入社20年となりベテランの域であったが利益は一番出していた。というより私以外の拠点は全店舗赤字であった。そんな中で二人ほど若手の勢いのある社員がそのころの社長の「お気に入り」だった。

社長がたまたま拠点毎の収支を見た

あるタイミングで社長が拠点毎の損益計算書を見た。その中で全店赤字である中で唯一私の拠点が黒字を出し続けている事を見た際に、まずは赤字が大きかった拠点の社員は相当な叱責の中、遠方の拠点に行かされ、事務所兼マンションの一室で寝起きもそこに寝袋でさせられた。その後辞めさせられる等の相変わらずの悪行をしていた。

私がなぜ唯一利益を出していけていたかというと、ズバリ、「会社の言いなりにやらず、上手く裏金をプールして従業員を確保して、それまでの意識と同様に皆が会社の為に働いてくれていたことできめ細かな管理や辛抱強い営業活動を行ってくれていたから」である。会社から不正と言われる様な拠点独自の収入源を作り、現場組織を維持できたかどうかであった。

そんな事も分からず、社長から「多くの黒字を出してくれて頑張っている」と評価をされた。そんな中、外部の会社にいた社長の息子を跡継ぎに据える為、役員とする中で私と「お気に入り」の二人も、息子とともに取締役となった。決定事項として聞き、「印鑑を持って来い」と言われた席上でそれを聞かされ、役員になることを考える余地もなかった。

役員になる時は慎重に考えて受ける様に

そんな事を身内からも以前聞いていた。私の会社が危なっかしいのを案じた上でのアドバイスだったが、確かにそれは辞退すべき事柄であった。

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