8章 諸悪の根源が消える

不正

社長急死の知らせ

役員になっても給与は変わらず、しかし家族は養わないと・・このような迷いや薬を飲みながら、ズルズルと暮らしていた。どこかで「ここまで耐えてきたなら社長が死んでから、会社を根本から変えてやろう」という気持ちも持っていた。

そんなある日、社長の息子から連絡があり「急逝した、社葬をする」との事・・いろいろな思いが交錯した。告別式に参加した社員は我々役員と他の社員は一人しか出席しなかった。皆同じ思いだったのだろう。

しかし、社葬の仕切りから既に社長の息子を取り巻きの事務方で行われ、そのまま会社の体制は自動的に息子が二代目社長になり、取り巻きのイエスマン事務方社員が支える、という構図となってしまった。

私の存在は二代目にとっては唯一の黒字の立役者であったが、同時に取り巻きの事務方社員たちや若手の役員からは「目の上のたんこぶ」「厄介者」であった。

私は先代の重しが取れて、会社に対してのそれまでの思いをぶつけることが多くなり、徐々に二代目執行部と溝が生まれていった。

次々と不正が指摘・退職者続出

二代目社長は、外部の上場企業でエンジニア畑できた人間だったので、自分の父親の会社がここまでブラックな会社とは思っていなかったと思う。営業会社という営業重視という認識も持ち合わせていなかった。しかし、その二代目がそれから目が目の当たりにしてく会社の実体は、把握をしようとすればするほどあちらこちらで出て来る不正の横行であった。二代目が現実を見えていく中で声に出し始めたのは、古い社員の勝手な拠点運営、会社自身の粉飾決算など含め「この会社の社員はろくなもんじゃない」という言葉だった。

先代の頃なら、不正とはなることでも会社の利益になっていることは不問とされていた。しかし二代目の「健全な会社」の理想からすれば真逆の組織であり、取り巻きの事務方からの告げ口とともに複数の社員が処分され辞めていった。

この時点で私はこの二代目の社長に「今までの経緯」「先代の悪行」「現場社員の想い」をしっかり伝えるべきだったかも知れない・・しかし既に私は二代目から怖がられる、厄介者という存在になっていたのでお互いが腹を割って話し込むことすら出来なくなっていた。嫌な予感がし始めていた。

 

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